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2005年 08月 30日
また今日も夜が訪れた。
少しずつ弱まる蝉の声に取って代わるように、遠くの草むらからは虫の声が聞こえてくる。 酔いの残った頭から、不適切な不純物を取り除くみたいに、 熱いシャワーを浴びて、冷たいお茶を飲む。 静かに眠る誰かの寝息の向こうに、通り過ぎる車の影を見る。 Moon River、Fly Me to the Moon、What a Wonderful World…。 静かに流れる音楽が今日の終わりを告げる。 眠気に包まれた目を開いてみても、まだ夜明けは遠い。 宵の内に過ごした時間を、ほのかな酔いの中に溶かす。 What a wonderful world... #
by nocte
| 2005-08-30 02:43
| 夜の手紙
2005年 08月 21日
午前中に雨が降った。雨はそのまま午後まで続いて、
涼やかな風に乗って部屋の中を水の匂いで満たした。 遠ざかる夏の足跡が聞こえるような日曜日だった。 雨はそのまま続くように思えたけれども、 3時になる前に蝉の鳴き声が聞こえてきた。 雨の中で蝉の鳴き声が聞こえると、すぐに雨は上がる。 いつの頃からか知った経験則だが、やがてその通りに雨は上がった。 夏の雨上がりの日差しは一段と強く、 それでも終わりかけの夏はいつもよりも冷たい夕方の風を運んだ。 雨がやんで、蝉時雨が降り注ぐ。 夏は終わろうとしていたけれども、 日々はいつ果てるともなく続いている。 街を染める夕暮れの色合いがそのことを確かに伝えていた。 いつの間にか蝉の声は聞こえなくなっていた。 多分、明日もまだ蝉は鳴くだろう。 #
by nocte
| 2005-08-21 23:30
| 夜の手紙
2005年 08月 18日
OSをTigerにしてから、たまに使っていたダッシュボードに、
新しいウィジェットをインストールしてみた。 astronomy picture of the dayとwheather chartだ。 どちらもデザイン的にはあか抜けない印象はあるけれども、ネットワーク経由で NASAから、あるいは気象庁から適切な情報を拾い上げてくるという意味では、 そしてたまにしか必要としないけれども、わざわざ面倒な手順を踏んでまで 手にするほどではない情報であるという意味では、 ダッシュボードに入れておくにはふさわしいもののように思える。 しばらくMacをカスタマイズするということもしていなかったけれども、 もう一度面白い時代を取り戻しているのかもしれない、と思って、 それはAppleだろうか、自分だろうかと考えた。 "astoronomy of the day" "weather chart" #
by nocte
| 2005-08-18 01:35
| 具体物
2005年 08月 15日
2005年 08月 14日
夕食を作っていたら、突然水が止まった。
何の前兆もなく水が止まると、まるで世界のすべての機能が停止したかのように思うけど、 もちろん実際にはそんなことはなく、外に出れば街はいつも通りの夜だった。 作りかけの料理はもうほとんど出来上がっていたので、 風呂の心配と、手に付いた小麦粉をどうやって落とそうかを考えるだけですんで、 結局水を買って戻ってきて、料理を作り終える頃には水が出るようになっていた。 どんな理由で突然水が止まるのかは分からないけれども、 日常に潜む欠落は、何の前触れもなく現れる。 現れる前には予想もできないし、現れてしまった後ではすべては取り返しがつかない。 いつ果てるともない星の回転のように、世界はいつまでも平和ではないのだと、 誰かの声が耳元でささやいている。 #
by nocte
| 2005-08-14 04:22
| 夜の手紙
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